任意整理の成功率は?失敗することってあるの?
任意整理は裁判所を通さずに債権者と直接交渉を行いますので、交渉を合意出来るか否かはケースバイケースとなります。任意での交渉ですので、交渉出来る内容は多岐に亘りますが、現実的に合意まで持って行ける交渉内容は限られてしまいます。
任意整理での主な交渉内容は、将来利息をカットすることと金利の引き直しです。この2つに関しては、高い成功率を期待することが可能です。将来利息をカットすることとは、交渉が合意してから借金を完済するまでの間の全ての利息を免除してもらうことです。銀行や消費者金融などが行っている融資サービスは、利息収入で成り立っています。その利息収入を得られなければ融資を行っている意味がありませんし、更に言えば融資を行わずに自ら資金を運用すれば利益を得ることも可能ですので、融資を行って利息収入を得られないことは、損得無しどころか損をしていることにもなります。
それにも拘らず、債権者が交渉を受け入れる理由は、それ以上に損失を拡大させない為です。もし、債務者が個人再生や自己破産を行えば、利息どころか元本も回収出来なくなってしまいます。個人再生の場合は債務を5分の1程度に圧縮出来ますし、自己破産は全ての債務が免除されますので、元本の全てあるいは大半の回収が出来ないことになってしまいます。それを避けるためには、任意整理の交渉を受け入れざるを得ません。
金利の引き直しとは、違法な高い金利を適正な金利に直すことですので、債権者も受け入れる必要が有るため、将来利息のカットと同様に高い成功率が期待出来ます。
将来利息のカットと金利の引き直しに関しては、高い成功率が期待出来ますが、その他の交渉内容に関しては合意させることは難しいです。もちろん、個人再生や自己破産と言った手続きを避けたい意向が債権者側にはありますので、債務者にとってより有利な任意整理の交渉を行うことも可能ではありますが、最近は特に債権者の受け入れ姿勢が厳しくなって来ています。利息のカットに加えて返済期間の見直しも行うのですが、これまでは残債を3年から5年かけて完済するスケジュールを立てることが一般的でしたが、最近は最長でも3年の返済スケジュールしか認めてもらえない場合が増えて来ました。また、将来利息に加えて受任通知を送付してから交渉が合意するまでの経過利息に関しても免除が認めてもらえる可能性がありますが、この点についても最近は受け入れてもらえないケースが多いです。これには、消費者金融などの経営状態の悪化が原因とされております。
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