任意整理は奨学金を対象にすることは出来る？
現代の日本ではかつてと比べても多くの人が大学や専門学校への進学をするようになっていますが、その学費の確保ということで活躍しているのが奨学金です。
奨学金があるからこそ進学できたというような人も多いため、この貸付自体は非常に価値のあるものであると言えるでしょう。
しかしながら一部では「単なる学生ローン」というような批判もあるように、大学や専門学校を卒業した後に就職できずに返済が滞っている人や就職できても収入が少なくて返済に苦慮している人が多いというのも大きな問題になっています。
奨学金といえども形式は借金であるわけですから、これを返済できないというのも当然債務問題として考えられるでしょう。
債務問題であればそれを債務整理で解決することが出来、そして特定債務だけを対象として行えるのが任意整理です。
ですから「奨学金を任意整理の対象にしたい」と考える人も実はかなり多いのですが、これは正直避けた方が無難です。
もちろん出来る出来ないで言えば、出来る可能性はあります。
お金を貸し付けている日本学生支援機構などに交渉を持ちかけて返済プランを組み直して合意できれば良いわけですから、不可能であるとは言えません。
しかしまずここで問題になってくるのが「奨学金には連帯保証人がいる」ということです。
もし家族や親せきに連帯保証人になってもらったというのであれば、任意整理をすることでその人に残債全ての返済要求が出される可能性は極めて高いです。
実際「親戚の子どもの借金の連帯保証人になっていたせいで、自分が借金を背負うことになった」という人もいるわけですから、このリスクは見過ごすことのできないものとなります。
加えて「連帯保証人に返済要求が出されなかったとしても任意整理では返済を継続することになる」ということも考えなくてはならないでしょう。
例えば大学進学から卒業までに借りた金額が50蔓延などの比較的少額なのであれば、今後3～5年で完済を目指すこともできないわけではありません。
ですが大学4年間で300万円などを借りていたということになると残債もかなり残っているケースが多いですから、結局返済が出来ない状態は変わらないということにもなりかねないわけです。
そうしたことを考えると、任意整理という形でこの債務問題を解決するのはかなり困難です。
もし本当に返済できないのであれば連帯保証人に心から頭を下げて説明し、個人再生や自己破産などのより効果の大きい債務整理手段を検討するべきでしょう。
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