任意整理と債務整理には違いを知りたい！
任意整理と債務整理。どちらも借金問題を解決する手段として世間に広く知られています。ただこれらは似たような言葉の響きをもつことから、同じ種類のものとして混同している人も多くいますが、厳密にいえば両者はまったく異なるものです。借金問題を法律で解決するために設けられた仕組みが債務整理です。この債務整理には4つの方法があり、利用者はそれぞれの状況に応じた方法を選択することができます。ここで取り上げる任意整理はその4種類の方法の一つです。法律に疎い素人には同じようなものと捉えがちですが、両者にはこのような違いがあるのです。
任意整理は、金融機関など債権者と交渉をおこない、将来発生する利息分を免除、軽減してもらうなどの方法で借金を減額してもらうものです。裁判所を通さずにおこなうことができますので、家族に知られたくない人には非常に適している方法といえます。一方、あくまでも結果はあくまでも交渉次第ということもあり、法律や金融の知識に乏しい素人が自分で手続きを行うのは困難を伴います。したがってこの手続きを行う場合は、弁護士や司法書士などその道の専門家に依頼して行うのが一般的です。弁護士などに依頼すればその時点で受任通知が債権者側に送られ、その受任通知が債権者側に届いた時点であらゆる連絡は弁護士などとおこなうことになりますので、取り立てや督促も停止します。その後の交渉もすべて任せることができるので、借金に苦しんでいる人も穏やかな日常を取り戻すことができるでしょう。
ただしこの任意整理は、借金が高額になるとそれほど威力を発揮できません。基本的に借金の減額幅が小さいため、高額の借金の場合はメリットが少なくなるのです。したがってこのような場合は他の債務整理の方法を利用することになります。特定調停、個人再生、自己破産の中から、自分の希望や借金の状況に応じた方法を選ぶようにするといいでしょう。もちろんどの方法を選択すればいいかについても、弁護士などの専門家のアドバイスを受けたほうがいいのは言うまでもありません。
ただしこれらの方法は上記に挙げた任意整理と違い、裁判所を介して手続きを進めなければいけなくなります。そのため、家族に隠れて手続きを進めることはまず不可能です。もっとも個人再生や自己破産を選択した場合は、借金をした本人以外の家族にも大なり小なり迷惑をかけてしまうことは避けられません。ですから正直に事情を話して、前向きに問題解決に取り組んだほうがいいでしょう。なお特定調停はメリットが少ないため、利用する人は限られているのが現状です。
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