任意整理と個人再生について
もしマイホームを手放さないで債務整理を行いたい場合は、任意整理か個人再生を選択することが必要となります。自己破産は、裁判所に認可されれば全ての債務が免除されます。しかし、全ての借金を債務整理の対象とする必要がありますので、住宅ローンも手続きの対象としなければならず、その結果マイホームを手放す必要性が出て来ます。また自己破産の場合は、一定額の以上の財産は換価して債権者への配当に回す必要がありますので、財産を手放したくない場合も自己破産以外の手続き方法を選択することが必要となります。
任意整理の手続きを行う場合は、裁判所に申請する必要がありません。その為、債務整理の中でも最も手軽に実効出来る手続き方法と言えます。また、債務整理の対象を自由に選択することが出来るメリットがありますので、住宅ローンや自動車ローンなどを手続きの対象から除外することが可能ですし、連帯保証人が設定されている債務も手続きの対象から外すことが可能です。このように自由度の高い点がメリットですが、他の手続き方法ほどの大きな債務の減額効果を期待することが出来ません。借金の元本を返済し続けることを原則としていますので、利息程度の減額効果しか見込めません。もし、マイホームを残したまま大きな減額効果を得たい場合は、個人再生を選択する必要があります。
個人再生は、裁判所に申請して手続きを行う必要がありますが、認可されることによって債務を大きく減額させることが出来ます。減額出来る金額は、債務の金額によって異なります。債務が１００万円以下の場合は債務総額が弁済金となりますので、手続きを実行する意味がありません。しかし債務が１００万円を超えて、債務金額が大きくなるにつれて減額効果も大きくなります。債務が３，０００万円を超えると、１０分の１に減額することが可能です。ただし清算価値保障原則によって、処分せずに残している財産以上の弁済金を支払う必要がありますので、もし多くの財産を残しておきたい場合は、弁済金が増えることになります。
個人再生も自己破産と同様に全ての債務を手続きの対象とする必要があります。しかし、住宅資金特別条項によって住宅ローンを債務整理から除外することが出来ます。
どちらの手続き方法の方がメリットが有るかと言う事は、ケースバイケースと言えます。ある程度債務の金額が大きければ、個人再生を選択することが得策ですが、まずは負担の少ない任意整理から検討する方が良いです。
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