個人再生の委任状は弁護士に依頼する際に必要になります
個人再生は、自分で裁判所に申し立てることもできますし、弁護士に依頼して手続きを進めてもらうこともできます。弁護士に依頼する場合は、委任状を提出します。委任状とは、字を見るとわかるように、手続きを委ねること、任せることです。よく弁護士を雇う、という表現をする人がいますが、この表現は正しくありません。弁護士を雇用するわけではなく、手続きを代わりに行ってもらう報酬として代金を支払うだけです。弁護士との立場は対等です。雇うという言い方をすると、気分を害する弁護士もいますので注意しましょう。
弁護士に依頼するかどうかは自由です。時間的に余裕があり、自分で進める自信があるなら、それでも良いでしょう。ただ、個人再生は簡単な手続きではありません。減額した債務は確実に払えるが、減額前の債務は支払いが困難だと裁判所に思ってもらわなければなりません。どのような借金があり、それぞれどんな理由で借りたのか、そしてどのような経緯で支払いが困難になったのか、順序だてて説明しなければなりません。一人で進めるのはハードルが高いと思っておいたほうが良いでしょう。
弁護士に依頼する場合は、正直に包み隠さず現状をすべて話しましょう。変に格好をつけたり、一部の債務について隠したりしてはいけません。後で辻褄が合わなくなり、信頼関係を築けなくなります。債務整理の経験が豊富な弁護士であれば、本当に個人再生が最適なのか、他の方法が良いのかも含め、有益なアドバイスをしてくれることでしょう。
個人再生には、住宅ローン特則があります。住宅ローン特則とは、住宅ローンについてはそのままにして、他の債務だけを減らすことです。通常は、このような債務整理はできません。住宅ローンは払うのに、ほかの借金は少なくしてほしいといえば、住宅ローン以外の借金の債権者は怒ります。そっちを払うならこっちも払えとなるでしょう。そんな不平等ともいえる債務圧縮が可能です。
具体的には、住宅ローン以外の債務を5分の1程度にまで減らし、3年から5年かけて返済していきます。但し、仮に債務が300万円であれば、5分の1で60万円とはなりません。減額しても100万円を下回らないように決められているからです。つまり、1000万円の借金であれば200万円になり800万円も減額できますが、120万円なら20万円しか減額されません。借金が少ない人にはメリットが少ないことを覚えておきましょう。
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