一括返済請求で自己破産をしたほうが良い場合｜検討すべき5つの対処方法
借金の返済に困った人がなかなか自己破産に踏み切れない理由の1つとして、連帯保証人に迷惑がかかるということがあります。この問題について解説してみたいと思います。
自己破産をすると、すべての借金をゼロにすることができますが、整理をする対象は自由に選ぶことができません。「債権者平等」の原則があるので、特定の借金は返済して、それ以外の借金だけを免除してもらうということができません。保証人がついている借金だけは迷惑がかかるので自力で返済するということが許されないのです。
これは個人再生でも同様であり、整理をする対象を選びたいのなら、任意整理という方法がお勧めになります。任意整理なら、整理をする借金を自由に選べるので、保証人がついている借金だけはきちんと返済していくということが許されます。しかし、任意整理で減額できる対象は利息、遅延損害金などであり、元本は減額することができないので、返済困難な状況次第では、この方法では問題が解決できない場合があります。
連帯保証債務を自己破産をすると、必ず連帯保証人に迷惑がかかることになります。さらに、分割払いの権利は失われているので、通常金融機関は連帯保証人に対して一括返済を求めます。通常ならば、主債務者だけでなく連帯保証人も、契約で定められた期限が来るまでは返済を待ってもらえるという期限の利益を持っています。しかし、延滞が3ヶ月以上続いた場合など、一定の場合にはこの期限の利益を喪失します。自己破産の申し立てをしたことも期限の利益喪失条項に書かれているケースがほとんどです。
債権者と交渉することによって分割払いにしてもらえるケースもありますが、期限の利益を喪失している以上、債権者には分割払いの交渉に応じる義務はありません。一括返済を求められた場合には、一括で返済するしかなくなります。もしも連帯保証人に一括返済ができるだけのお金がない場合には、連帯保証人も債務整理をするしかなくなります。連帯保証人にも同じ道をたどらせることになるかもしれないのです。
連帯保証債務を自己破産する場合には、連帯保証人に迷惑がかかることは避けられないので、あらかじめ事情を説明して了解を得ておく必要があります。弁護士に間に入ってもらうと理解が得られやすいことがあります。また、この場合には連帯保証人は求償権（連帯保証人が主債務者のかわりに弁済した場合にあとで主債務者に対して弁済したお金を返してもらうよう請求する権利）を行使することができなくなるため、完全に借金を押し付けてしまう形になります。許してもらえるかはわかりませんが、せめて誠心誠意謝罪しましょう。
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